仲田幹一とは
雅号:光成(こうせい)
空間の美を鋭く研ぎ澄ませ、文字を芸術へと昇華させた書家。
信念
「普段使いの字が美しくなければいけない」
「普段使う字こそ美しくあるべき」と考え、ペン習字や手紙文などの実用書にも深い関心を寄せ、「芸術としての書」と「生活の中の書」を架橋した。
主な経歴と活動
104歳を駆け抜けたかな書の巨匠
1899年、兵庫県に生まれた仲田幹一は、近代かな書道の礎を築いた尾上柴舟に師事し、その才能を開花させました。長年にわたり学習院教授として教壇に立ち後進の育成に尽力。1970年には自ら書道団体「あきつ会」を創設し、書道の普及に生涯を捧げました。104歳で天寿を全うするまで現役の書家として筆を握り続け、毎日書道顕彰特別賞を受賞するなど、戦後日本の書道界を牽引し続けた稀有な存在です。
皇室との深い絆
気品ある筆致が繋いだ信頼
学習院での活動を通じ、皇室の書道教育において極めて重要な役割を担いました。常陸宮妃華子さまのお后教育(書道)を10年間にわたり担当したほか、上皇后美智子さまが月並歌会で用いられる短冊の手本を、20年もの長きにわたって揮毫し続けました。皇族方の高潔な感性に寄り添うその雅やかな筆致は、確かな信頼を得ており、宮中における「かな書」の伝統を支える精神的な支柱でもありました。
書風と功績
伝統を「視覚芸術」へと昇華
その書風は、平安古筆の緻密な研究を基盤としながらも、現代的な空間美を融合させた点に最大の特徴があります。小字で書かれるのが通例だった「かな」を、大胆な余白と鋭利な線で表現する「大字かな」として確立。書を単なる文字の記録から、壁面に飾って鑑賞する「視覚芸術」へと進化させました。伝統を重んじつつも常に革新を求めたその姿勢は、現代かな書道の表現領域を大きく広げる金字塔となりました。

仲田光成記念館
兵庫県豊岡市竹野町
兵庫県豊岡市にある近代かな書道の重鎮・仲田光成(1899-2003)の功績を称える施設。
竹野町出身の書道家・仲田光成氏の書作品が常設展示されています。
江戸時代の庄屋・北前船主の屋敷を改修した歴史資料館「竹野川湊館(通称:御用地館)」の館内に併設されています。


かな書碑
豊岡竹野かな書碑街道づくり
豊岡市竹野町の出身で、日本のかな書道界で長年活躍された故仲田光成氏の功績を記念し、「かな書文化」を地域づくりに活かすとともに、地域文化の高揚と書道の普及を図るため実施されています。




